vol.2 2023年5月8日OPEN ~ここまでの道のり~後編

vol.2  2023年5月8日OPEN ~ここまでの道のり~後編

(前回までのあらすじ)
私は当時、大学病院で働く産婦人科医。
父が倒れ、実家の病院の行く末を決める必要が出てきました...。

(ここから本編)
M&Aにも話を聞くことにしました。
家族総出で、親身にしている銀行屋さんとその紹介先のM&Aの話を聞きました。
うちは法人格+土地+建物すべてを売却に出すことを想定しましたが、その会社は病院に関しては経験がないようでした。
成功報酬は最低500万、5000万以上は10%が報酬価格となるようです。
少し調べてみても500万というのはやはりお高い様子。今や、M&Aもメルカリみたいな感じで簡単に売買できる場を設けており、月々数万から掲載可能なところもありました。親切なコンサルをつけるとオプション価格のように割り増しになるけれど、月々数万~で、これから経営を考えている人とマッチングすれば交渉成立となるわけです。世の中結局は情報であり、私の両親のようなネギを背に抱えた鴨鳥(情報弱者)は恰好の餌食となってしまうようです。

父なき(生きています)病院は、もぬけの殻であり、ふと外の世界に目を向けてみても現実は厳しく、田舎の古い病院の活用先はなかなか見つかりません。

病院は土地含めて、固定資産税がかかり、電気代や水道代など維持費だけでも大変な額になります。

さて、どうしたものか。

実は、医療法人というのは平成19年以降は法律が変わり、それ以降は持ち分なしの医療法人しか組めないという決まりがあるようでした。
平成19年以前の医療法人は全て持ち分ありの医療法人となっているようです。この持ち分の有無というのがまたややこしいものなのですが、細かい説明は割愛しますが(ググってね)、敏腕経営者からしてみると持ち分ありのほうが節税効果が高い場合があるようなのです。持ち分ありの医療法人をみすみす売却してしまうのはもったいないのでは...という考えが浮上しました。

そんな折、姉夫婦より、「法人を継ぐのはあずさ(私のこと)が一番良い。私達も小さい事務所からスタートした。」という言葉を頂き、やってみようかという気持ちに火がついたわけです。

夫とともに、病院経営に関しては0からのスタート。
小さな診療所を築くことに決めました。

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