vol.3 大きな診療所から小さな診療所。そして医療DXへ
(前回までのあらすじ)
父が倒れ、病院を継ぐ意思を明確にしました。
(ここから本編)
父が運営していた診療所は19床ある大きな診療所でした。しかし、ホームページもない、予約システムもない、昔ながらのスタイルの病院です。
このまま同様のスタイルで運用していくのでは時代に乗り遅れてしまうのは目に見えていました。
最近では、保険証ではなくマイナンバーカードを保険証として扱うことができるようになっています。
これによって、確定申告の際の医療費控除が簡単にできたり、高額医療費の申請の簡略化や、薬の情報の一元化によって重複を避けたりなど、普及することによってかなり便利になるはずです。
また令和3年3月から健康保険証の資格確認がオンラインで可能になる「オンライン資格確認」というものが開始されていましたが、これが令和5年4月から原則義務化となりました。この義務化によって、世の病院は結構大変な思いをしていることが予想されます。正直に言って、パソコンの操作、デジタルツールの環境設定等々、30代の私でもかなり難しいと感じます。平成の時代にパソコン、ネットはかなり普及し、その性能も年々急速に良くなっていく。ついていけないというのが正直な気持ちです。これを50歳代の先生はもっと難しいと感じるであろうことは簡単に想像がつきます。もとより70歳代の父は到底無理だろうと感じます。
オンライン資格確認の導入によって何が変わるかと言いますと、ミスが減り、時間削減並びに人員削減が可能です。
さらに、このデジタル技術の革新は詰まるところ、保険証を確認する人がいらなくなり、会計レジもいらなくなり、結果、受付がいらなくなる。事務作業を簡略化し、人を減らし、さらには実質的な空間をも縮小できるのです。
かくして、父から譲り受けた医療法人を、医療DXを駆使することによって医療の質を落とすことなく最小限の規模に移し替えて、渋谷の地で運営していくこととしました。
できないことはやる必要がなく、今の現状でできることを最大限にやる。
そして幸いにも、今の現状は、デジタル技術の進歩によって可能なことがかなり増えました。
オンライン診療もその一つです。
皆さん最初は小さな診療所で驚くかもしれませんが、
確かな医療をお届けしますのでご安心頂ければと思います。