vol.17 胎児心エコーとAI
2023年11月18日国立がんセンターにて「胎児心臓超音波スクリーニング支援システムに関する医師読影試験」というものに参加してきます。
エコーの検査精度は検査者間での診断技術の差がかなり大きいことが問題となっています。特に胎児心臓となると、母体を通して、胎児の小さな心臓をエコーで見るため、その観察には高度な走査技術と専門知識が必要とされるため、先天性心疾患の出生前診断率は30-50%ほどであるのが現状です。
悲しいかな、エコースクリーニングで「絶対」大丈夫とは言えないのです。エコー検査は感度も特異度も低い検査と私は思っていましたが、昨今は機械の進歩もあり、昔に比べるとわかることも多くなってきたため、エコー検査の信頼度は年々増しています。そのスピードは携帯電話の進歩と同じくらいの速度と言えるでしょう。つまり、私が医学部を卒業した時と今で比較しても、エコーの精度はかなり上がっているということです。このスピード感かなり速いなと私は感じます。
さて、エコーは基本的に非侵襲的な検査であり、エコープローブをあてるだけで診断が可能になるのはそれは非常に画期的です。そこにさらにAI機能が追加されようとしています。もうここまでくると、10年後はどんな世の中になっているのか、ほんとに想像がつかないですよね。AI機能が追加されるとどんなことが起きるのかというと、今までは検査者の技術と経験に基づいてしか診断できなかったものが、AIによって「診断」が可能になるのです。うーんアンビリーバボー。
今回「胎児心臓超音波スクリーニング支援システムに関する医師読影試験」というのは、医師単体だけでの診断と、AI機能を使って医師が診断するのを比べて診断精度が上がるかを比較するものです。
まだ、臨床段階には至っていないようですが、これが現場で実際に利用できるようになれば非常に嬉しいですね。