Vol.25 治療が難しいものとは?
悲しいかな、医者はなんでも治せるわけではない
「不眠があるんです」
「イライラしてしまうんです」
「自律神経失調症と診断されました」
「朝起きるとだるいんです」
「なんだか手がこわばる気がします」
「昨日のことが思い出せないんです」
このようにいろんな症状を話された時、
私は、そういう話に対して、なんて答えようかなと考えてしまいますね。
何がこの人にとって良いことにつながるのだろうか
多分世の中の人、ほとんどの人が日常でそんな日があるに違いない。
私だって、お腹がきゅーと痛くなる時だってあるし
朝起きたくないとだるさを感じるときもあるし
仕事にいきたくないと頭が重くなる時がある
イライラする時もある。眠れない夜もある。
多分、ものすごい異常が起こっているわけではない。
おそらく、少し時間が経ってなにか夢中になることがあれば、さっき感じていた不調は忘れてしまうような、そんなちょっとした症状のうちの一つかと思います。
それを病院にきて話すということは患者さんは治してほしいから来ているはずである。
原因を診断して、症状を改善させたいのだと思うが、
悲しいかな、すべてを治療できるわけではないし、すべてに原因があるわけではないし、原因が一つではないこともある。
非常に悩ましい。
多分、友人がそんなことを言ってきたら、「運動したら」「あのドラマが面白かったから気分転換に観てみたら」「有給とってどっか旅行行ったら」「ピラティス良かったよ」「夫が理解してないのが悪いよ」などと言った返答になるが
医師としては、診断に対して改善するようアプローチをしなくてはならないような気がする。
そのため、診断名が「自律神経失調症」だとか「更年期障害」とか「PMS」になる場合がある。
そんな時に有効的な一手が漢方である。
漢方には
「元気がでる漢方」「不眠にきく漢方」「気持ちを落ち着かせる漢方」など、まさに先ほどの訴えに効くと言われる漢方が存在する。
漢方は証をみて処方するため、あきらかな原因を追究する必要がないのがメリットです。
漢方を使ってみて、なんだかよくなった気さえしてくれれば、願ったりかなったりである。
私は最近、朝起きると動悸がしてしまいます。
1日の始まりに緊張してしまい、仕事で失敗しないか、上司にとやかく言われないか、不安がずっと付きまとっています。
なので最近は加味帰脾湯とか、柴胡加竜骨牡蛎湯を飲んでいます。
動悸は確かに落ち着くので、最近は手放せないです。
有効な治療法というのは十人十色ですので
なんとか良い方法を探していきたいですね!