ミレーナ
診察の回数も徐々に減ります
挿入した1か月後、3か月後、半年後、1年後と経過を見たら、その後は1年おきの診察を5年目まで行います。
非常に効果があり、快適な日常を過ごせる方が多くいます。
- 挿入に向いている方
ミレーナは子宮内に長く留置するものであるため、内診台にあがって、膣内に機器を挿入して処置を行います。そのため一般的に挿入に向いている方は
- 経腟分娩をしたことがある人
- 今後妊娠を考えていない人
の方が、よりベターであると言えます。
しかし、近年は20代の若い方であってもミレーナを希望される方も多くいて、挿入を検討するケースも見られます。 - 費用について
月経困難症がある人に関しては保険での診療になるため、1万ほどで挿入が可能です。
ミレーナには避妊効果もあるため、避妊目的での挿入の場合には自費での診療になります。 (自費50000円)
装着後の注意点
- ミレーナ挿入後に起こりえること
- 自然滑脱
- 腹痛
- 不正出血
- ミレーナの副作用・合併症
- 骨盤内炎症性疾患
- 異所性妊娠
- 穿孔
- 卵巣嚢胞
装着後3か月は一時的な副作用が起こりやすい
不正出血や、下腹部痛などがみられることがあります。
出血が多い場合や筋腫や子宮の形などにより、自然滑脱する場合があります。1年以内の脱出率は約1.7%ほどです。
妊娠する可能性は0ではない
ミレーナ装着している場合、内膜が薄いままになるため、受精卵が着床できなくなるため妊娠率はかなり低いです。しかし、排卵が起こる以上妊娠率は0%にはなりません。不正出血が続く場合や、下腹部痛を認める場合には診察を受けるようにしてください。そのためにも定期検診を受けることが大切です。
妊娠の可能性が心配な方は、妊娠検査薬も重要な手がかりとなりますので、心当たりがある場合にはご確認ください。
ミレーナの糸
子宮の入り口からミレーナの糸が数センチ出ています。これは抜去時に必要になりますので絶対に引っ張らないでください。子宮の出口から出ていますが、膣からは出ていませんので下着に触れることはないので安心してください。膣に指を突っ込まない限りは触れることはありません。
生理が来なくなる
ミレーナ挿入することによって内膜が薄くなる ミレーナ装着後、次第に月経回数が減り、装着1年後には約20%の方が生理が来なくなります。子宮内膜が薄くなるため出血しなくなるというものです。 この現象は、生理痛で悩んでいる人にとっては嬉しい効果であり、心配する必要はありません。
ミレーナとピルの違い
ミレーナ | ピル | |
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作用する女性ホルモン | 黄体ホルモン(プロゲステロン) | 卵胞ホルモン(エストロゲン)+黄体ホルモン(プロゲステロン) |
薬のタイプ | 子宮内留置(5年間) | 内服薬 |
薬の効き方 | 局所(子宮内のみ) | 全身 |
排卵の有無 | 排卵する | 排卵しなくなる |
特徴 |
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副作用 |
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起こりうる合併症 |
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ミレーナ装着の流れ
- ミレーナ相談
ミレーナとはどういうものか。自分には適しているか?処置が可能か?等まずはお話だけでも可能です。
- 問診・診察
最終月経・性交経験の有無・妊娠出産歴・病歴等を確認しミレーナ挿入可能かの診察を行います。
診察内容は以下です。- 超音波検査
- 性感染症検査(当日装着希望であれば自費の迅速検査、次回希望であれば保険になります。)
- ミレーナ装着
問題なければミレーナ装着行います。生理7日前後での施術が最適です。
当院では麻酔は行っておりません。ご希望があれば、頸管ブロックや坐薬等の処置を行います。 - 定期検診
装着から1か月後、3か月後、半年後と経過をみたらその後は1年おきのエコー検査を行います。
- 5年後に交換、または抜去します
「生理痛に悩んでいるけれど、内服を毎日しなくてはいけないのは私には向いていない」そんな風に考えている女性もいるかもしれません。
月経困難症、過多月経に効果を示す、子宮内留置装置があります。
5年間効果があるため、その間毎日の内服の必要がありません。